鎌倉ワイナリー 神奈川県鎌倉市
〜湘南の海を感じさせる鎌倉テロワール。畑の開墾から始まった小さな個人ワイナリー〜
ドメーヌナツメ 代表者 夏目真吾氏
住所 神奈川県鎌倉市長谷1-11-18
創業年 2022年(ワイナリー完成・自家醸造開始年)
年間生産量 約1万本
自社畑 約0.5ヘクタール
【左】鎌倉ワイナリーの建物 【右】夏目さんの直筆から起こした看板 【左】併設のワインショップ&カフェ 【中】ショップから窓越しに見える醸造場 【右】発酵時に対流の良い卵型タンク 【左】鎌倉・関谷地区の自園葡萄畑 【中】鎌倉・七里ヶ浜の自園葡萄畑 【右】鎌倉ワイナリー自園畑の葡萄房ご出身地、愛知県での大学時代に、バーテンダーやソムリエのアルバイトを通じて様々なワインに触れる機会に恵まれた経験を持ち、シニアソムリエの資格も有する夏目真吾氏は、大学院卒業後、神奈川県内の大手複合機器メーカーに就職し30年近く勤めるも、「人生100年時代。第二の人生でやりたいことがあるならば、準備は40歳代から」という言葉に出会い、自身のワインを作るために週末を使っての葡萄栽培を2014年より本格的に鎌倉で開始。2021年には途中退社され完全新規就農。東京ワイナリーさんでの醸造研修・委託醸造の期間を経て、2022年鎌倉市長谷に「鎌倉ワイナリー」が完成し、自家醸造が始まりました。
自園畑は鎌倉の関谷地区と七里ヶ浜の2カ所。両畑ともに長い年月耕作放置され、かなりの雑木林となっていた土地を自力でコツコツと開墾しなおすところからスタートされました。関谷地区の葡萄畑は、鎌倉野菜の主産地区域にあり、周りに何もさえぎるものが無い明るく開けた西斜面の野菜畑のなかに点在。メルロ、カベルネフラン、ピノノワール、シャルドネ、リースリング、アルバリーニョ、ブラッククイーンを栽培しています。海から8キロほど内陸に入っていますが、近くにある川を伝って吹き上がってくる潮風により塩害がおこる事も有る場所でミネラルを含んだ土なことから、特に良質の鎌倉野菜を産出する地域であるとの事です。親しくなった近隣農家さんから出来の良い新鮮な野菜(まさに産直)を分けてもらい、鎌倉ワイナリー併設の試飲販売所兼カフェ「ドメーヌナツメ」で、料理としてやそのまま直販してお客様に喜ばれています。もう一つの七里ヶ浜の葡萄畑は、湘南の海を見下ろす南斜面の高台に、一部住宅に接してポツンと1区画あり、シャルドネとピノノワールを栽培しています。貯金が底を尽き、葡萄畑を作る資金を「ふどう苗木の会」として1口1万円で募った際、畑仕事を見ていた近隣にお住いの方達も含め多くの支援者に助けられたシンボリックな畑として大切にされています。この2ケ所の葡萄から出来た生産初年度の無濾過仕上げ自園産ワインを数種類試飲させていただいたときに、若木から出来たものとは思われない奥行きがあり、一定以上のワインにしかない品位を感じて驚きました。夏目さんいわく、海の潮風が何らかの作用を及ぼしているであろう“ミネラル感”が良いのでは、との見解を示されていましたが、両方の畑を見学させていただいて更に合点がいったのは、ボルドーやブルゴーニュのグランクリュ(特級畑)並みの、日本では稀なる超過密に植えられた垣根仕立て栽培をされており、葡萄樹の本数が多く農業機械も入れない栽培管理が大変な高級ワイン用の作付けをされている事も、味わいに深みを与えている一因かと見て取れました。そんな鎌倉ワイナリーさんのワインは、前出の自園産に限らず全体を通して丹念に無濾過で仕上げられ、飲み心地の良いなかにも様々な要素を内包し、しっかり土地の風土を反映させる表情豊かなスタイルとなっています。
鎌倉ワイナリー 湘南ワイン・スパークリング2023年白泡 750ml
4,048円(税368円)
神奈川県小田原産デラウエアを鎌倉市長谷で醸造した湘南ワイン。青いデラウェアと完熟したデラウェアをブレンドし、瓶内二次発酵した辛口スパークリングワインです。
鎌倉ワイナリー 鎌倉ワイン・ピノノワール/メルロ2023年赤 750ml
5,918円(税538円)
SOLD OUT
鎌倉ワインは、自社ぶどう100%のワインで、生産量は対前年30%減ですが、過去最高の出来と感じています。ピノノワールとメルロの割合が1:1で、色が濃く、果実味豊で、梅カツオのニュアンスや潮風由来の塩味もあります。