タケダワイン 山形県上山市

〜世界に自慢できるグランヴァン。自社畑を中心とする純潔ワイナリー〜

有限会社タケダワイナリー 代表者 岸平典子氏

住所 山形県上山市四ツ谷2-6-1

創業年1920年

年間生産量 約40万本

自社畑15ヘクタール

タケダワイナリーの建物タケダワイナリー壁面のロゴタケダワイナリーの醸造場内

【左】タケダワイナリー外観  【中】販売所の壁面ロゴ  【右】赤ワイン用ステンレス発酵タンク

タケダワイン自社畑の様子タケダワイン自社畑上部からの景色タケダワイン自社畑のシャルドネ房

【左】手前シャルドネ畑・奥斜面カベルネメルロ畑  【中】自社畑斜面上部、眼下に醸造所  【右】自社畑シャルドネ房

 

 蔵王連邦のふもと、山形かみのやま温泉郷よりほど遠くない南向きの高台に位置し、1920年開園以来、「良いワインは良い葡萄から」をモットーに、土づくりから始めた葡萄栽培、ワイン醸造と、高レベルな自社畑を中心とした山形県内の葡萄原料のみこだわったワイナリーは、日本では稀有な存在といえるでしょう。創業以来、経営者武田家5代、海外原料葡萄はもとより、県外の葡萄も使用しない崇高なこころざしをもつ評価の高い純潔ワイナリーです。

 タケダワイナリーの5代目として、日本初の女性栽培醸造責任者兼代表取締役になられた岸平典子(旧姓・武田典子)氏は、1990年にフランスへ渡り、フランス国立マコン・ダヴァイ工醸造学校上級技術者コースを専攻した後、醸造学者ジャック・ピュイゼ主催のフランス国立味覚研究所にて研修、そしてボルドー大学醸造研究所ティースティングコースを修了し、1994年に帰国しています。1999年にタケダワイナリー栽培醸造責任者になり、2005年には代表取締役に就任しました。全権を任された典子さんは、プレッシャーを感じるいとまもなく、より葡萄栽培、ワイン醸造に没頭し、山形県上山の地のワイナリーで生れ育った自分にしか出来ない味わいを表現すべく奮闘されています。現在、ビオディナミ農法(化学合成剤を使わず、天体の動きも考慮しながら、土壌、植物の働きを活性化しようとする農法)を取り入れ、天然酵母による醸造にも一部チャレンジ、より自家畑と親密に語り合いながら山形県上山(かみのやま)の風土とシンクロし、ナチュラルな方向にむかっているようです。醸造が最盛期になるとワイナリーに引きこもり状態になり、発酵タンクと対話し、一喜一憂するという典子さん。ワイン漬けのなか、こっそりベルキービールで気分転換しているというお話も聞けました。小柄な、小さな身体のどこに、そこまで追求するバイタリティーがあるのでしょうか。栽培から醸造、多岐にわたって試みる改革が、良い葡萄、美味しいワインとなって反映されるささやかな喜び、それが典子さんの力の源かもしれません。

 東北でも有数の生産量を誇る歴史ある名門ワイナリーに訪問すると、装飾の少ない簡素さに、まず驚かされました。観光ワイナリーとしての洒落た外観、内装はほぼ無く、駐車場が大々的に整備されているでもなく、売店もプレハブ一歩手前の感、あのシャトータケダやキュベヨシコの高貴なイメージとはかけ離れていました。ある意味、純粋にワインの中身で勝負している“質実剛健”さが感じられ、いさぎよい気がしてきました。ワイナリーを中心に、その回りに隣接した15ヘクタールの東南向き斜面の好条件自社畑は、ほぼひと続きのまとまったもので、日本の土地事情では通常ありえない、奇跡的な理想の立地です。この地に移ってきた初代に感謝しているという典子さん、ワイナリー近くの自宅から歩いて通う間にも畑の状態をチェックできると、つねに身近に自社畑を肌で感じられる事がなりより贅沢な環境であるとの事。その自社畑、雪国独自の工夫をこらした垣根仕立ては、葡萄の成る位置を高くし、冬場、芽の出る位置に雪がかぶらないよう考慮してありました。樹の幹がやけに、くの字型になっていましたが、雪解けのとき圧力で曲げられたものであるとの事です。しかし、それよりなにより見た目、最も特徴的なのは、垣根仕立てが垣根にみえないほど枝が伸びず、一本一本の樹がはっきり独立して見えるぐらい樹勢が抑えられている点です。樹齢が20年近い、成長がおちつく古木である事も理由のひとつですが、主な要因は、苦労して自然肥料を中心に改良してきた土壌が、ワイン用葡萄にとって理想的な樹勢に抑えているそうです。結果、シャルドネ、カベルネ、メルロともに葡萄粒が驚くほど小さく、凝縮した実をつけています。葉や新梢(クキ、えだ、つる)の成長に力を使わず、葡萄の実に栄養を集める栽培です。訪れた時期、シャトータケダ白になる予定の収穫直前だった古木シャルドネ種は、特に熟度が高く、高貴な香りをはなち旨みがのっていました。その小粒な実を、当時3歳になったばかりの息子に食べさせたところ「甘いねェー」と彼なりの素直なひと言、妻も「ホント、濃さが違うわね」とあいづちをしていました。本格的な葡萄栽培を何十年も前からしている実力派ワイナリーの成果が、一粒の実にギュと詰まっているのを、家族みんなが感じ取れたのでした。
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店長 今井 博

■プロフィール■

・1988年より酒販売に従事する。

・1990年 第40期サントリーソムリエスクール卒業

・利き酒師「SSI日本酒サービス研究会・酒匠研究会認定」

・フランスワイン・コンセイエ「SOPEXAソペクサ・フランス食品振興会認定」